2月27日 あたしはロックを聴かない

 

思えば、10代のわたしは「あたしはロックなんか聴かないと思いながら すこしでもあなたに近づきたくて」な恋ばっかりしていたように思います。 

 

なんで突然そんなこと言ってるかというと、昨日聴いたあいみょんの『君はロックを聴かない』のサビが一晩中引っかかってたから。

 

君はロックなんか聴かないと思いながら

少しでも僕に近づいてほしくて

 

えぇぇ……なんか違くない……?全然共感できないんですけど?!と朝起きてからもまだ考えてたんですけど健康診断にむかう電車の中で気づいたんですよね。

 

わたしがしてきた恋愛ってぜんぶ近づいてほしいんじゃなくて近づきたい恋愛だったわーってことに。君はロックなんか聴かないよねってやきもきするんじゃなくて、あたしロックなんか聴かないのになーってげんなりする恋愛だったなって。

 

大学はいってすぐ好きになった先輩に話を合わせたくて大学図書館で鬱々としながら『まごころを、君に』見たこととか、「NANAを読んでる女はダメ」って言われて封印したこととか、ライブハウスでバンドマンの男の子にどんな音楽聴くの?って聞かれてaikoって答えるのが恥ずかしかったこととか、18歳の冬に好きになった24歳に(18歳のときは24歳ばっかり好きになってた)彼セレクトのベスト盤をもらって聴いたけどぜんぜん理解できなかったこととか(その中で唯一理解できたのが星野源の『くせのうた』で、留学先で日本人と出会ったみたいな気持ちになった)、アートだらけの居心地の悪い店で食べたカレーとか、借りたまま今も実家にある『ヒミズ』のDVDとか、10代のころは相手の好きなものを自分も好きになってポイント稼ぎするしかないと思ってて、今ならそんなこと好かれるのに直結してないし、バカバカしいし、相手の好きなものも自分の好きなものも尊重できるのが一番いいってわかるけど、そんな時代もあ~ったねと~この曲をきっかけに思い出しました。健気でちょっとかわいいけどめっちゃアホな10代を過ごしてしまってるから共感できないんですよ。

 

だから共感できないんですけど、この曲は大好きな上司(女性)がカラオケで歌ってて「あいみょんとか聴くんだ……」と新たな一面を知った曲でもあるので、「あたしはあいみょんなんか聴かない」と思いながらYouTube見るんですよ。歌えるようになるまで。次のカラオケですこしでも上司に近づきたくて。あれ?もしかして20代もめっちゃアホ???

 

おわり